NHKラジオ第2で放送されている朗読番組、その名もズバリ『朗読』。
春から放送時間が変わりました。おまけに、有難いことに再放送枠も設けられています。
そして、ラジオ放送80周年記念の特別内容として、五木寛之さんの『親鸞』が、加賀美幸子さんの朗読で始まりました。
朗読[NHKラジオ第二放送]9:45〜10:00(月曜−金曜)
【再放送】土曜 22:25〜23:40(5話まとめて放送)
昨年度までは10時45分開始でしたので、注意が必要ですね。
斯くいう私も、タイマー録音の設定を先週(昨年度)までと同じままにしていて、聞いてみたら
「ズドゥラーストヴィーチェ!」
と、『ロシア語講座』が録音されていたのでビックリ!直ぐに「しまった、放送時間が変わってる…」と気付き、インターネットの番組表で確認したら、五木先生のお名前を見つけて二度ビックリ!
録音し損ねたのが五木寛之さんの作品で、録音したのがロシア語講座というのも、奇妙な偶然と言えなくもなさそうですが…。
それにしても、この『朗読』で、現役作家の作品が読まれるというのは珍しいのではないでしょうか?少なくとも私が知る限り初めてです。それこそ"記念番組"と銘打たれた所以かも知れません。
今まで取り上げられてきたのは主に往年の作家の作品や、様々な立場から記された昔の風俗を偲ばせる名随筆など。
丁度、昨年度末は『野菊の墓』で知られる伊藤左千夫の『隣の嫁』と、続編にあたる『春の潮』を放送していました。
その前は、林芙美子の『浮雲』でしたか。こちらは長編の為、3分の2まで進んだ所で一旦終了になってます。私は文庫本を持っているので、この長〜い作品を予定された放送回数で読了するのは無理がありそうな気がしてまして、案の定、でした。続きはいつになるのやら?青木裕子さんの朗読、中々ハマってましたし、再開に期待してます。
去年は小林多喜二『蟹工船』も放送されました。昨今の派遣切りなどもあって、再び注目を集めているとニュースでも紹介していた作品です。
私は本でも音楽でもジャンルを幅広く取りすぎる性質で、その為却って"プロレタリア文学"という響きもピンと来なかったのですが、朗読を聞いて、暗い激しさと、突き抜けられない幽霊のような鬱窟感が伝わりました。時代が遷っても、人の感情の行き場の無さは変わらないのかも知れません。
ただ、お金持ちの支配階級に成ればそれが消えるというわけでもないのでしょうね。別の幽霊が待ち構えているでしょう。
得てして名作と呼ばれる物や文豪の著作は、なまじっか名前を知っているのが徒になり、実際には読んでいない、若しくは読む気にならない事が多いと思います。…私だけ?
自分の目で読むのと耳で聞くのとは大違い、だけど素通りするのも勿体ない。朗読は読む時間が無くても移動中や寝る際に聞けて、お薦めです♪
一つ難点を言うのなら、聞き手と読み手の感性が合わないと、結構イライラします(汗)これは相性の問題なので、割り切るようにしてるんですけど。
朗読された名作を直ぐに見たくなった時に便利なのが、
青空文庫。著作権の切れた作品をテキストデータで読めます。
あ、当然ながら五木先生の作品は載ってません(^-^;